11時20分、店の前。シャッターが閉まっている。どうしようかと迷っていると11時24分、もう一人が来て、私の横に並んだ。外は雨、ぽつりぽつりと並ぶ人が増える。特に、目の前の道路に車が止まり、降りてくる人が何人もいる。タクシーで乗り付けた人もいた。この店は11時30分に開くはず。しかし時間になっても開かない。シャッターの郵便窓から覗くと、中で食事をしている。うう、これはまだか。11時37分、ようやくシャッターが開く。中に入る。何となく、長いカウンターの左端に座るが、あとの人はばらばらと適当な所に座る。店内はよく整理されている。窓が大きいので意外と明るい。木の古いカウンター。これはいい。これまで来たときは店内を眺める余裕はなかった。
主人は左手の製麺室へ行ったり来たり。製麺機が動いている。まだ今日の分の麺を作っているのか。でも驚かないぞ。製麺機はいつも大石屋で自慢されているからなあ。奥さんは店の外のガラス窓を拭いている。厨房にはいると、お金の入っている箱を出して、会計の準備。開店前にやってほしいなあ。
11時43分、奥さんが、コップに水を入れ始める。11時45分、おしぼりと水を持って私のところに注文を取りに来る。竹の子入りつけそば。その後もちゃんと、並んだ順、もとい、店に入った順に注文を聞いている。しっかり観察していたのだろうか。一つ注文をとるたびに戻り、メモをして、水を運んで次の注文を取っていく、店内に入る人の注文を取り終わったのは11時50分。その間、主人は麺をはこび、ごうごうと火のかかっている鍋の上のメンマを一混ぜ。
注文を取り終わると、1ラウンド目の麺の量を勘定してまとめる。あれを一度に茹でるのだからかなり多い。
メンマを丼に入れて5つほどに分ける。細かいネギを刻んで乗せる。ビールとともに注文したお客に渡す。11時55分。 引き続き、餃子を数人前焼きはじめた。
丼が7つ用意される。やばい、つけそばは後回しか。そう言えば、前回、ラーメンを頼んだら意外と早くやってきた。しょうゆだれ、その他(化学調味料?)を丼に入れる。あとから入ってきた4人分の麺を追加した。
奥の鍋で野菜を炒め始めた。だれかタンメンでも注文しているのだろうか、もしくは、スタミナなのだろうか。
さて12時5分、大きななべにようやく麺が投入される。おなかが空いてきた。
餃子が出来上がり運ばれる。ここの餃子はニンニクが強いので、午後に用事があるときは食べられないのだ。残念。
丼にスープが張られる。少しずつ、何回にも分けて入れられる。それにしても、つけそばの準備が全然されない。どうなっているのだろう。
12時10分、麺を分け始める。主人が目を皿のようにして、麺をすくって、丼に入れる。一通り入れるのに2分くらいかかっている。その間にどんどん麺はのびるような気がする。チャーシュー、メンマなどが載せられ、注文した客に運ばれる。うう、つけそばは。
おもむろに、大きなざるが用意されて、鍋の底に残っていた麺をさらい上げる。おお、意外と深い鍋。ゆで汁はすべて捨てて、あたらしい水を入れ始めた。
奥さんが向こうの方で、麺を冷やし始める。こちらでは、主人が、小さいカップにつけだれの準備。まず、しょうゆだれ、化学調味料ひとさじ、胡椒、酢、だし粉?、その他。どうやら砂糖を入れたようだ。うう。スープを少しずつ入れる。すりこぎでごりごりとかき混ぜ始める。うう、いいから早く食べたい。
向こうではようやく奥さんが、麺を皿に盛り分け始めた。こちらでは、チャーシューの細切り、メンマを入れている。主人が麺の盛り分けに参加。最後にきざみのりをかける。12時21分、ようやく竹の子入りつけそばが、目の前にやってくる。並び初めて1時間が経過してしまった。ラーメンはほとんど食べ終わっている人もいる。
打ちたての麺はつるつるしておいしいが、いかんせん、湯に入れてから16分も経ってはのびてしまっている。前回のラーメンの方が、麺はおいしかったな。
つけ汁。量が少ない、ぬるいのは不満。入れ物が小さすぎるなあ。容積は目白の1/10ではないか。メンマをどけないと、麺をつけ汁につけることができない。見た目よりは塩分は強くない。化学調味料もうまく隠されている。めんまは、味がしっかりついていてこりこり、おいしい。チャーシューは少ししかはいっていないな。ちょっと寂しい。麺にコシがほしいよ。はじめは隣の人の大盛りがうらやましかったが、そうでもなくなってしまった。麺のポテンシャルは、目白よりもあるようだが、食べた感じは向こうの方がいいな。
12時26分。ゆっくり食べたつもりだが、食べ終わってしまった。主人の動きのタイミングを見計らって、スープを残ったつけ汁に加えてもらう。主人の堅い表情が一瞬ゆるむ。一見の客ではないということを理解してくれたかなあ。(今日のスープ注文ははじめてだら)。一口飲むと、これがうまい、スープはしっかりしているんだなあ。ラーメンを食べたときにはあまり強い印象はなかったけれど。胡椒の辛さがぴりぴりして気持ちよい。スープを入れてもらって飲んだつけ汁でハッピーになったのは目白以来。待った分、おなかが空いてしまい、おいしく感じてしまったかな。前回来たときには、主人と奥さんのとの間に殺伐とした雰囲気があったが、今日は穏やかであった。常連さんに笑顔を見せている余裕もあった。店の雰囲気は今日は良。
勘定を払うとき、すでに2ラウンド目の麺が上がっていて、あったかいつけそば、が1つ運ばれて行くところだった。そうか、あったかいつけそばは、ラーメンと同じタイミングで出されるのか。でも麺の量がわずかに少なそうだな、と勝手に思って店の外に出た。
それにしても待った。でも今日はよく観察することができたのは収穫。これまでは完全に店の雰囲気に飲まれていたからなあ。